中央区の図書館問題
改正された中央区図書館設置条例
3月30日の可決を受けて、「中央区図書館設置条例の一部を改正する条例」が翌3月31日に公布され、同日施行されました。内容的には、「指定管理者に図書館の管理を行わせることができる」ように、元の設置条例に5条分の項目を増やしたことになります。第五条と第六条の文面のみ引用しておきます。中央区の法律を検索するには、中央区HP左下の「例規集(外部サイトへリンク)」というところから見ることができます。
(指定管理者による管理)
第五条 教育委員会は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十四条の二第三項の規定に基づき、法人その他の団体であつて教育委員会が指定するもの(以下「指定管理者」という。)に図書館の管理を行わせることができる。
2 指定管理者は、前項の規定による指定に係る図書館(以下「指定図書館」という。)の管理に関し、次に掲げる業務を行うものとする。
一 法第三条各号に掲げる事項に関する業務
二 指定図書館の施設及び附帯設備の維持管理に関する業務
三 前二号に掲げるもののほか、指定図書館の管理上教育委員会が必要と認める業務
3 指定管理者は、必要があると認めるときは、あらかじめ教育委員会の承認を得て、休館日を変更し、又は臨時に設けることができる。
4 指定管理者は、必要があると認めるときは、あらかじめ教育委員会の承認を得て、利用時間を変更することができる。
(指定管理者の指定の手続)
第六条 指定管理者としての指定を受けようとする者は、事業計画書その他教育委員会規則で定める書類を添えて教育委員会に申請しなければならない。
2 教育委員会は、前項の規定による申請があつたときは、次に掲げる基準により、総合的に審査し、最も適切な管理を行うことができると認める者を指定管理者の候補者として選定するものとする。
一 指定図書館を利用する者の平等な利用が確保されること。
二 指定図書館の効用を最大限に発揮できること。
三 指定図書館の適切な維持管理を図ることができること。
四 指定図書館の管理に要する経費の縮減を図ることができること。
五 指定図書館の管理に関する業務を安定して行うことができること。
六 前各号に掲げるもののほか、教育委員会が必要と認める基準
3 教育委員会は、前項の規定により指定管理者の候補者を選定したときは、議会の議決を経て、指定管理者を指定するものとする。
図書館利用者懇談会
どこの図書館にもあるとは思いますが、中央区の図書館にも利用者が図書館関係者に対して、いろいろ意見・要望、質問等を直接やりとりする機会(利用者懇談会)が年1回設けられています。私も以前、1回だけ参加したことがあります。今年は、特に注目していましたが、案内はこのように出ます。

見てわかるように、一番早い日程が1月25日開催ですが、HPでは1月10日に公示しています。特に今回は、運営方法を巡ることにも声があがると予想されましたが、図書館自体はそれほど積極的でありません。ただし、「区のお知らせ ちゅうおう」(月3回発行の広報紙)でも、毎年1月11日号に載るようですので、例年との差は無さそうです。
私自身は、東京新聞の記事(2月1日)を少し遅れて知りましたし、この開催予定についてもすでに月島図書館の日程しか参加候補がない時に知り、その日は東京にいなかったので、出ることはできませんでした。なので、今回は、荒れてもしくは盛り上がったのではないかと、結果公表を心待ちにしていました。
しかし、なかなか出ません。日にちは忘れましたが、かなり経ってから「出しました」と言われて内容をみると、ほとんど話題は出ていなかった模様、と思い込んでいました。ところが、後日とんでもないことがわかりました。私は西暦を使用しますが、役所は元号なので見間違えていたことと、元々年と年度もわかりにくいので「出した」ものが今年のものではなかったのです。ここらは、運転免許証のように年号併用にしてほしいものです。役所も勘違いなのか故意なのかはわかりませんが、結果的に区民等に情報公開していませんでした。というより、明らかに嘘を言っていたのです。後から、公開日が5月13日だと認めています。何と3か月出していなかったことになります。

これが、そもそもどこにあるのかわかりにくくなっていますが、図書館のHPから「図書館案内」のところに切り替えて、右下に載っています。今年分をリンク(令和元年度)しておきます。前年や他の年度のまとめと書き方が違うのは、私が「区長への手紙」を通じて、今までは「報告書の体をなしていないですよ」、と指摘していた(利用者の参加人数や図書館側参加者情報すらない)のを今年は反映させてくれていたのですが、問題は公開時期と書きっぷりです。明らかに、2ページ目の「指定管理者制度の導入について」の書き方が他と異なります。質問形になっていない、具体性に欠ける記述となっているなど、図書館側は、これらの情報を出し渋っています。ちなみに、これらの集約を各館ごとに出た意見・質問等を分けて教えてほしいという要望は、拒否されています。電話取材したところ、各館でニュアンスの強弱はあるものの、それぞれ1人もしくは数人から質問や意見はどこでも出ていた(指定管理者のこと)と、細かい内容はわかりませんが聞いています。出席された方からの詳しい情報お待ちしています。
なぜこれほどまでに、中央区の図書館は情報を発信しない、公開しない、出し渋るのかはよくわかりませんが、今の状況でこれなので、先が思いやられます。だからこそ、失礼ながら区には能力がないから指定管理者導入なのか、なら一定私は理解しますが。
細かくなりますが、「利用者懇談会を開催します」の情報すら、図書館は終了後すぐにHPより消してしまいます(毎年のことです)。後で検証できなくなるので残してほしいと、今年指摘したからこそ復活しているのです。区民等が意見や質問等をどんどん出していかないと、勝手に好きなことをやられてしまいます。
利用者懇談会では、出席すれば貴重な資料も提示されます。利用状況の数年の数字データ等がそれで、例えば利用者や貸出者数の増減や、NDC分類別利用データなど参考になると思います。これらは月島図書館が歴年保存しているようですが、そもそもこのような基本データは、区や図書館、教育委員会等のHPで常時公開すればよいと思います。秘密情報でもないのに、もったいないです。
利用者懇談会では、今年おかしなことがまだあります。懇談会参加者は当日参加でよいのですが、図書館側ももしかして少なすぎるとよくないので、あらかじめ区民の利用者で承諾していた者の中から抽出して(各館?)100名規模だかで、往復はがきで参加しませんかと案内を送っているようです。詳しいしくみは今年初めて聞きましたが、私も登録していたので、なぜ案内がメール等で事前に来ないのかと思っていましたが、抽出であるとは…。どのように抽出しているのでしょう? 案内は郵送のみということですが、今年は時期が遅れたそうです。かなり早い時期に元々は送るそうです。なぜこのようなことになったのか?
これに関連しておかしなことは、指定管理者選定委員会の委員のことです。これが、制度としてHPなどで公開していないのもおかしいと指摘していますが(委員の個人名は中立性のため非公開でもよいが)、4月8日開催の教育委員会第4回定例会で、「中央区立図書館の指定管理者候補事業者の公募及び選定について」報告が出され、新型コロナウイルス感染症のせいか、4月16日に開催されなかった区民文教委員会宛て送付資料の中に次のことが書かれています。選定委員会の構成(7名)として、
- 学識経験者1名
- 利用者代表3名(青少年委員1名、読み聞かせ団体1名、図書館利用者懇談会参加者1名
- 経営指導員1名
- 中央区職員2名(教育委員会事務局次長、図書文化財課長)
7名全体の透明性、中立性、そして手続きの正当性も疑問ですが、ここでは「図書館利用者懇談会参加者1名」をとりあげます。この委員はどのように選んだのでしょう? 今年の参加者は、3館で11+6+6の計23名です。教育委員会は「ここから公募した」と言っています。わずか23名からということもありますが、そもそもこのようなやり方は「公募」とは言いません。また、23名の中には当日参加者もいるので、往復はがきなどで住所氏名を追えない方もいそうです。参加の時に、名前くらいは書くでしょうが、住所を最後まで書く義務はないそうです。どうやって、後日23名全員に連絡をとれるのでしょう? まともな手続きで、指定管理者制度を導入したとしても、選定委員会や選定委員に疑問が出ることはないのでしょうか?