中央区の図書館問題 番外編 指定管理者制度の本を読む2
前から紹介したかった本を、ようやく紹介します。勉強になります。
鑓水三千男著 日本図書館協会図書館政策企画委員会編
『図書館政策セミナー「法的視点から見た図書館と指定管理者制度の諸問題」講演録』 日本図書館協会(ブックレット) 2018年10月発行
この本は、自治体(千葉県)での法務の経験が長かった著者が、図書館の現場は知らないと言いつつも、いろんな図書館関係の集まりにおいて講演してきた講演録です。以下は読んで勉強になったところの部分紹介です。
指定管理者導入の要件はあくまで、住民に対する図書館サービスの向上、図書館奉仕の向上、住民福祉の増進であって、開館時間が延長されることだけではないし、地域の活性化や賑わいの創出などは本来の目的ではないこと、カフェ、書店、文具店の設置も同様であること、運営経費を削減するなども副次的なことである、などを地方自治法、図書館法3条などから指摘しています。(p.5、p.32、p.64など)
無料の図書館に指定管理者制度を導入するのは無理があるし、そもそも図書館法は指定管理者制度を想定していない。(p.8-11あたり)導入するのであれば、図書館法を改正すべきである。(p.61あたり)
図書館職員、図書館長は公務員であることが条件である。図書館法13条、地教行法34条などより。(p.16あたり)
公立図書館は、地域の知的財産を継承したり、将来の文化財として承継する、地方公共団体が責任を持って経営を続けるべき施設であり、「もし議会で導入することを決めるのであれば、必要な情報は全部開示してほしい、少なくともブラックボックスの中で、いつの間にか条例が出ました、住民が知らない間に条例が通っちゃいました、導入されちゃいましたという状況は避けていただきたい」(p.33あたり)
これは、まさに中央区で起きていることを言っていますね。
また、著者は、「公物警察権」のことも言っていて、利用者とのトラブルなどの時、指定管理者は公権力の行使ができないことも問題点としてあげています。(p.28あたり)
同じ著者からは、
鑓水三千男著『図書館と法 図書館の諸問題への法的アプローチ 改訂版』 日本図書館協会 2018年8月発行 もあります。こちらは328 ページくらいの厚さのさらに詳しい本です。
住民・市民としても、これらを理論武装の参考にして、図書館や民主主義への理想も住民等への奉仕・福祉の向上の意識さえもない「行政の劣化」を正していきたいものです。